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発酵食品で腸内環境を整える!

 2022/02/03 発芽玄米や玄米の健康ライフ この記事は約 10 分で読めます。
発酵食品

人の腸内には100兆個もの腸内細菌が生息しているともいわれており、これらの腸内細菌が“元気に働く”ことで腸内環境は健康に保たれています。これを腸内フローラとよびます。

この腸内フローラを構成する細菌は、カラダにいい影響をもたらす善玉菌と悪い影響をもたらす悪玉菌、どちらにも属さない日和見菌の3つのタイプに分かれており、これら腸内細菌のバランスによって腸内環境が変化します。

腸内の善玉菌が多くなると、腸内環境中のパワーバランスが善玉菌に傾きます。中立であった日和見菌も善玉菌の味方をするようになり、腸内環境はどんどんよくなります。腸内環境がよくなると、便通異常(便秘や下痢)が改善するほか、全身の免疫力も向上します。つまり、腸内環境を整えて便秘を改善しようと考えるのであれば、善玉菌を増やす必要があります。

また、栄養価が高く消化が良い発酵食品は、健康的な腸内環境を作るためにはとても重要な働きをします。

そこで今回は、栄養価が高く、良い腸内環境を作るためにもおすすめの「発酵食品」について紹介します。

発酵食品ってどんな食品?

そもそも発酵食品とはどのような食べ物のことを指すのでしょうか?

発酵というのは、様々な微生物や酵素の働きによって、食物の中の炭水化物やタンパク質などが分解され、人間にとってより良い別の物質が形成されることをいいます。

食べ物が微生物によって分解され、見た目や味が変わるという点では、腐敗(腐ること)と似ていますが、肉や魚などがアンモニア臭を出して食べられなくなるのが腐敗、ヨーグルトなどのように形状が変化し、人間にとってメリットのある変化が発酵と考えるとわかりやすいでしょう。旨味が増し、保存性が向上し、栄養価がアップするなど、さまざまな利点があります。

人間にとって大きなメリットがたくさんあるため、聞こえは悪いですが、「あえて食品を腐らせている」というイメージで、納豆やヨーグルトなどを想像してみてください。納豆やヨーグルトなどは、あえて食品を微生物とともに放置して、もとの食品から大きく性質を変化させています。

このように、発酵という現象によって生まれた食品が「発酵食品」です。

代表的なものとして醤油や味噌、酒、パン、漬物など、今では私たちの生活に欠かせない食品ばかりです。

発酵食品の種類

発酵食品には、非常に多くのものが存在します。

私たち日本人が日常的に食べている食品にもさまざまな発酵食品があり、納豆や豆腐、味噌、酒粕などが代表的です。

身近な食品としては、コメを発酵させた日本酒や本みりん、乳製品を発酵させたヨーグルトやチーズ、大豆を発酵させた醤油や味噌、納豆、豆板醤やメンマも発酵食品の一種です。

さらに、発酵食品は食べ物だけではありません。

発酵飲料として、日本酒、ワイン、ビール、焼酎、ウイスキー、紅茶、ウーロン茶など、アルコールからソフトドリンクまで様々なものがあります。

また、善玉菌の中にもさまざまな種類の細菌が存在しており、例えば、酪酸菌とよばれる善玉菌は、ぬか漬けなどに多く含まれていることが分かっています。

発酵食品を使ったレシピもたくさんありますので、毎日発酵食品を食べる習慣をつけて、丈夫な腸内環境を作るのが健康の秘訣です。

発酵食品で腸内環境を改善することができれば、便通や肌荒れなど、全身に良い影響が現われるでしょう。

発酵食品のメリット

微生物によって生み出される発酵食品には、普通の食品には無い様々なメリットがあります。

発酵食品にするメリットはそれぞれの食品によって異なりますが、発酵食品にすることで得られる基本的な効果が以下のものです。

・腸内環境を改善できる
・栄養価が高い
・保存がしやすい
・旨味アップでおいしい
・太りにくくなる!?
・腸内環境改善で免疫力アップ
・便秘改善に効果的

それぞれに関して詳しく紹介していきます。

腸内環境を改善できる

発酵食品は腸内環境の改善に大きな役割を担っています。発酵食品に含まれている微生物には、乳酸菌や酵母のように、人体にとっての善玉菌となる微生物もたくさん含まれており、腸内環境を整えるためには善玉菌の摂取と増殖が必要不可欠です。特に、味噌や醤油、ヨーグルト、チーズ、漬物、日本酒、納豆、キムチ、発酵発芽玄米などの発酵食品には豊富な善玉菌が含まれており、発酵食品を積極的に摂取するだけでも善玉菌の量を増やすことが可能で、腸内環境を改善できるのです。

栄養価が高い

発酵によって食品の旨味や味わいが増す(おいしくなる)のはもちろん、保存がしやすくなったり栄養価が高くなったりなどのメリットがあります。
微生物が食材を分解・発酵するときに生産される酵素の作用で、新しい栄養成分が生み出されるため、発酵食品には通常の食品にはないような栄養が含まれている場合があります。
また、発酵によって増える微生物には、他の菌の繁殖を抑えてその微生物のみを増やそうという働きがあります。これによって、通常の食品には含まれていないようなビタミンやミネラルなどを取り入れることが可能になります。

保存がしやすい

そのため、人体にとって有害な細菌の増殖が抑えられ、食べられる状態で食物を長期保存することが可能になります。あえて食品を腐らせ、発酵させることで、それ以上食品が腐敗しにくくなります。
食品を発酵させることで、食品が「腐りにくく」なります。
そもそも腐っているため、それ以上腐りにくいというイメージです。

旨味アップでおいしい

多くの場合発酵させることでうまみ成分がアップします。
味付けや味覚は人によって異なるため一概に評価できませんが、大豆などの味気ないたんぱく質でも、発酵することによって味わい深い食品に変化します。

太りにくくなる!?

近年注目を集めているのが、発酵食品によって太りにくくなるというメリットです。これには腸内環境の変化が関わっています。一部の腸内細菌には、太りにくくする作用を持つものが存在します。どれだけ食べても太りにくい体質の人がいます。このようなタイプの人は、発酵食品に含まれるような善玉菌が腸内に多く存在することが分かっています。そのため、善玉菌によって腸内環境を整えることで、太りにくい体を手に入れられる可能性があります。

腸内環境改善で免疫力アップ

腸内には無数の細菌が生息しています。

細菌とはいっても、人間にとって有害な作用を持つ悪玉菌だけではなく、ビフィズス菌などの善玉菌は、人間にとってメリットがある細菌なのです。

さらに、腸内環境と免疫力には、密接な関係にあることが分かっています。

腸には体内の免疫細胞の約6割が存在するという報告もあり、 腸内環境の改善はこれら免疫細胞の活性化につながります。

発酵食品を積極的に摂取している人は、善玉菌優位(善玉菌が優勢)の腸内環境を作ることが可能であり、それによって消化効率や全身の免疫力改善作用も期待できます。

発酵食品が便秘改善に効果的な理由とは?

厚生労働省の調査によると、便秘の症状を訴える人の割合は、全人口では千人あたり男性が約 24人、女性が約46人と圧倒的に女性が多いことが報告されています。

ひどい便秘になると、腹部のはりや息苦しさ、おなかの痛みなどが出現するほか、毒素が体内に蓄積することで、体臭がひどくなったり、肌が荒れるなどの症状も出現します。

このように、日本人(特に女性)の頭を悩ませているのが便秘であり、実際に運動や食生活、下剤の使用など、便秘改善のために様々な取り組みが行われています。

そこで今回は、発酵食品による便秘改善効果に注目し、なぜ発酵食品が便秘改善に効果的なのかということを解説します。便秘に悩んでいる方は、是非参考にしてみて下さい。

毎日の発酵食品で健康的な腸を手に入れましょう

発酵食品によって摂取できる善玉菌は非常に多く、それによって腸内環境を整え、便秘を改善できる可能性があると、説明してきましたが、発酵食品は「クセが強い」のも事実です。

納豆やチーズなど、苦手という人も多いでしょう。

そのような方は、酵素や青汁、サプリメントなどを利用して栄養素や善玉菌を摂取するのも効果的です。普段の食事にプラスしてあげることで、栄養バランスを整え、腸内環境を改善することができます。

また、仕事などの関係で、毎日の献立に発酵食品を組み込みにくいという人も、同様です。

中には洗った白米にそのまま加えて炊くだけで食べられる発酵発芽玄米というものまであります。発酵食品を摂ることは、善玉菌や腸内環境に意識して生活をすることに繋がり、便通異常を改善することが可能です。

特に、外食やコンビニ弁当などが中心の食生活になっているという人は、腸内の善玉菌が少ない状態になっている可能性が高く、発酵食品を積極的に摂取することが大切です。

一度ご自身の食生活を見直してみて、発酵食品を取り入れてみましょう。

食べにくい玄米を発酵させよ!

近年、マクロビオテックブームの影響で、玄米菜食と呼ばれる玄米を主食で、野菜を副食とした食事が注目されています。
「玄米を積極的に食べたいけれど、味や匂いに抵抗がある」という人が多いかもしれませんね。
それもそのはず、噛むと甘みがある無臭の白米に慣れている私たちには、玄米の味も匂いもかなり強く感じるはずです。
その玄米を食べやすくしたのが、玄米を発酵させる方法です。
玄米を一度炊き、それを3日間炊飯器の中で保温して寝かせたものを寝かせ玄米とか、発酵玄米と呼びます。
寝かせ玄米や発酵玄米を作る時には、玄米を炊く際に塩と小豆を加えて炊くのが特徴です。
炊きあがりのイメージは、お赤飯みたいな感じですね。
寝かせ玄米や発酵玄米にすると、もち米のような粘り気が出て、モチモチした食感がかなりアップします。
玄米そのものよりは味も匂いもかなり気にならないと思います。
かなり食べやすくなるので、是非試してみてくださいね!
ただし、夏場は炊飯していても食品が腐りやすい時期なので、なるべく早めに食べきるように心がけましょう!

寝かせ玄米や発酵玄米に小豆と塩?

寝かせ玄米や発酵玄米を作る際に、なぜ小豆と塩を入れなくてはならないのでしょうか?
小豆には、食物性たんぱく質、ビタミンB1、ビタミンB6、カリウム、鉄分、マグネシウム、食物繊維、ポリフェノールが多く含まれています。
玄米の栄養素をさらに補い、強化してくれる働きがあるのです。
一緒に炊くことで、玄米の糖質と小豆のたんぱく質やアミノ酸が反応し、メラノイジンができ、強い抗菌作用が生まれます。
メラノイジンは玄米を腐らせることなく、熟成させてくれるのです。
さらに、メラノイジンにはアンチエイジング効果、発がん防止効果、成人病予防効果などのたくさんの効能があります。
また、塩を加えることで玄米のカリウムを中和し、玄米特有のヌカや胚芽の臭みを抑制します。
吸水率も上がり、ふっくらとした白米に近い炊きあがりになりますよ!

寝かせ玄米や発酵玄米の栄養と働きとは?

玄米そのものを寝かせたものですから、玄米に含まれている栄養素をそのままダイレクトに摂取することができます。
玄米には食物繊維、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、GABA(ギャバ)等が白米よりも大変多く含まれています。
食物繊維は、腸を刺激し、腸内環境を整え、便秘解消に役立ちます。
腸内フローラが腸内環境を整えると、吹き出物やニキビなどが出来にくくなったり、老化を防いだりするので、美肌効果やアンチエイジング効果も期待できます。
ビタミンやミネラル、アミノ酸は血流の流れを良くし、血圧やコレステロールの抑制をするため、高血圧、糖尿病、動脈硬化など血液に関する病気や生活習慣病を遠ざけます。
GABA(ギャバ)は、自律神経に働きかけ、精神を安定させる働きをします。
仕事や人間関係等の日常的なストレスを緩和し、うつ病などの精神病を防止します。
さらに玄米はGI値が白米と比較するとかなり低いので、インスリンを抑制し、脂肪が出来にくい体を作ります。
GI値が高い食べ物は、食後の血糖値の急激な上昇を促し、脂肪として糖を蓄えてしまうのです。
そうすると、皮下脂肪や内臓脂肪が多くなり、痩せにくい体ができてしまいます。
玄米にダイエット効果があると言われるのはこのためです。
また、玄米にはビタミンB群が多く含まれていますので、糖質や脂質に働きかけ、代謝を促す働きがあります。
代謝が活性化されると、老廃物や不要なものが体外に排出されるので、デトックス効果で体の内外からきれいにしてくれるのです。
寝かせ玄米や発酵玄米としても、その栄養素は変わらないので、毎日積極的に食べたいものですね!

玄米特有のヌカや胚芽の匂いが抑えられた寝かせ玄米や発酵玄米。
発酵食品と言うと、納豆やチーズ、キムチや漬物など香りの強いものを思い浮かべると思いますが、玄米の場合はその逆なのです。
寝かせたり、発酵させることでとても食べやすくなるのです。
ただし、自分で寝かせ玄米や発酵玄米を作った場合には、できるのに時間がかかる、出来る前に腐らせてしまうなどのリスクもあります。
今は寝かせ玄米や発酵玄米で予め商品化されたものがたくさん販売されていますので、そちらの活用をおすすめします。
栄養がたくさん詰まった玄米をかなり食べやすくできる、寝かせ玄米や発酵玄米を是非試してみてくださいね!

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