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発芽玄米・発酵玄米のその違いと効果

発芽玄米や玄米の健康ライフ この記事は約 9 分で読めます。
発芽玄米

発芽玄米とは何か?

発芽玄米とはその名の通り、玄米を発芽させたものです。

発芽させることにより眠っていた酵素が活性化され、玄米よりもさらに栄養価が高くなります。

これは簡単にいうと、芽を出すために、玄米の内部に栄養を蓄えようとするためです。
玄米が発芽する際に内部に含まれていた酵素が活性化され、栄養を増やしてくれるのです。
発芽させると普通の玄米と比べて、食感が柔らかくなるので食べやすくなります。
発芽玄米にはさまざまな栄養成分が豊富に含まれています。
食物繊維、ビタミンE、マグネシウム、カルシウム、ミネラル、オリザノール、GABAなどを含んでいます。
食物繊維は、便秘を予防し、腸内環境を整えてくれる働きをします。血中コレステロール濃度を低下させる働きもしてくれます。

ビタミンEは、抗酸化作用があり体内を錆びつかせないように、脂質の酸化を防ぐ働きをしてくれます。それに加えて、血液中のLDLコレステロールの酸化によって起こる動脈硬化や、生活習慣病などの予防にも役立つことが期待されている成分です。
さらにマグネシウムは心臓などの機能の維持、血圧の調整などの働きをします
カルシウムは骨や歯を作る、神経興奮効果の抑制、血液の凝固抑制などの働きをします。
そしてオリザノールはアンチエイジングに欠かせない成分の1つで、自律神経失調症や更年期障害などの改善、コレステロールの低下、美白維持などの働きをしてくれます
GABAは気持ちを落ち着かせる効果があり、ストレスを緩和し、リラックス作用を発揮します

特にオリザノールやGABAはなかなか食品から摂取しにくい成分なので、多く含まれている発芽玄米は積極的に摂り入れていきたいですね!

さらに専門的に説明をすると、玄米にはフィチン酸とアブシジン酸という成分が存在します。    これらについて、少し詳しく説明します。

フィチン酸

植物の三大栄養素であるリンを貯蔵する役割を持ち、主に種子に蓄積されます。
金属元素と結びつきやすい性質があり、種子の中ではカルシウムや鉄などと結合して存在しています。

アブシジン酸

植物の生長や生理活性を調整する、植物ホルモンとして知られる化合物です。
食物がストレスにさらされると合成され、発芽を抑制する役割も持っています。

このように、種の保存のために働いているフィチン酸やアブシジン酸ですが、発芽させることにより種ではなく玄米そのものに働き、より多くの栄養素が活用できるようになるのです

さらに、発酵すると玄米の硬さの原因である糠も柔らかくなるため、白米と同じように、炊きやすく、食べやすいお米が炊き上がります。

発芽玄米は自分で作れる!?

発芽玄米は簡単に自宅にあるもので作ることができます。
まず、玄米を丁寧に洗います。
ボウルやタッパーなどの入れ物に入れ、水か約35度ぐらいのぬるま湯につけます。
水よりぬるま湯の方が発芽するのに時間がかかりません。
夏は腐りやすいので1日~多くても2日ぐらい、冬は2日~3日ぐらいそのまま浸水させ、常温に置いておきましょう。
夏は冷蔵庫に入れても良いでしょう。
ただし、冷蔵庫に入れる場合、当然ですが冷えてしまうので発芽までの時間が通常よりかかります。
玄米は吸水して膨らみ、胚芽が膨らんで少し先が尖ったら完成です。
全部が尖っていない場合でも、尖っているものが多くある感じであれば大丈夫です。

発芽玄米の炊き方とは?

白米を炊く時のように、炊飯器で炊くこともできますが、鍋で炊くとより美味しく食べることができます。
圧力鍋があればなおさら早く美味しく炊けること間違いなしです。
圧力鍋の場合は、浸水した水を捨てて、新しい水を玄米の分量に対して約1.2倍~1.5倍加えます。塩を少々加え、圧力鍋に蓋をして強火で圧力をかけます。

圧力がかかったら、弱火にして約20分~25分火にかけます。
濡れ布巾の上に置いて、5分ぐらい蒸らします。
圧力が下がったら、ふたを開け天地返しをしたら出来上がりです。
普通の鍋の場合は、初めの新しく加える水の約1.5倍にします。
やはり、圧力鍋の時と同様、塩を少々加えて、強火にかけます。
吹きこぼれるぐらいに沸騰させて、弱火で約30分~40分火にかけます。
蒸らしも天地返しも、圧力鍋の時と同じく行い、完成になります。
必ず蒸らしを行うことがポイントになります。
しっかり蒸らされていると、焦げ付いたりせずにふっくらと美味しい発芽玄米を炊くことができます。

毎日の白米を発芽玄米に変えることで、飛躍的に毎日の食事の栄養価アップが臨めます
玄米が苦手だったり、食べたことがなく抵抗がある人でも、発芽玄米であれば白米と同じようにふっくらと炊けるので、食べやすいはずです。

発酵玄米とは

発芽玄米とは別に、発酵玄米というものがあります。
玄米を食べやすくするための手段のひとつであり、酵素玄米、熟成玄米、寝かせ玄米とも呼ばれます。

発酵玄米とは、玄米を小豆と塩と一緒に炊き、そこから数日かけて発酵させたものです。見た目や材料は、玄米版の赤飯といったところです。

玄米を数日寝かせて発酵させると、食感が変わりもちもちに食べやすくなります。

食べやすさだけでなく、栄養やダイエットにメリットはあるのか、今回はその発酵玄米の謎に迫ります!

発酵玄米の作り方

材料は、玄米3合、小豆30g、塩小さじ1の3つです。(炊飯器の分量の水は除く)

① 玄米を優しく研ぎます。近年では無洗米の玄米もありますので、無洗米の場合はそのまま使えますし、気になるようならば軽く洗いましょう。
② 研ぎ終わった玄米に、軽く洗った小豆と塩を加えます。かき混ぜた状態で、一晩(6時間以上)寝かせ、浸水させます。
③ 炊飯時には、玄米モードや炊き込みモードがある場合にはそちらを使用しましょう。なければ通常炊飯します。
④ 炊き上がったら、そのまま1時間ほど蒸らします。1時間ほど経ったら一度全体をかき混ぜます。
⑤ その後は炊飯器の電源を切らず、保温モードのまま3日間熟成させます。1日に1回は、清潔なしゃもじで全体をかき混ぜるようにしましょう。

このように、炊き上がってから3日間ほど熟成させると、赤みを帯びてもちもちとした発酵玄米が出来上がります。

この調理方法は赤飯のルーツとも言われています。寝かせている間に、玄米の糠部分に多く含まれる酵素が働くと言われており、甘味が出て、もち米のような食感になります

発酵玄米の健康効果

これまで紹介してきた発芽玄米も発酵玄米も、ともに玄米よりも食べやすく、白米よりも栄養価が高いという特徴があります。
いわば、白米と玄米の良いとこどりです。

そんな、各々でもメリットが高まる2つを合わせ、発芽玄米を発酵させた発酵発芽玄米は、さらにメリットが高まります。
その詳しい内容について見ていきましょう。

栄養価が高まる

そもそも栄養価が高い玄米。そんな玄米を発芽させることも発酵させることも、さらに玄米の栄養価を高めてくれることはお伝えしてきたとおりです。
白米をはじめ、蕎麦やうどんなど、ほかの主食と比較してもダントツに高い栄養価を誇ります。

発芽玄米そのものでも栄養価が高まっているのを、さらに発酵させた発酵発芽玄米は、すべての栄養素の約7割も満たすことができます。

発芽玄米は特に、ストレス軽減作用で知られるギャバが増えると言われており、なんと白米の10倍にも及びます。
ストレス社会に生きている私たち現代人にとって、ストレス軽減作用が高いギャバが多く含まれているのは、大変嬉しいですよね。

甘みや旨みが増す

発酵発芽玄米は、甘みや旨みが豊富です。発芽や発酵によって酵素が活性化されることにより、糖質が分解されて甘みが増し、タンパク質が分解されてアミノ酸が増えることで旨みも増すからです。玄米特有の匂いも軽減されます。

食べやすくなる

硬いイメージがある玄米ですが、発芽により糠が柔らかくなっており、さらに発酵によって保温しながら寝かせることで、もっと柔らかくなります。

また、玄米は炊く前に浸水させるなどの手間がかかりますが、発芽玄米の状態からであれば、既に柔らかいので白米と同様にすぐに炊くことができ、その後の発酵が終わるまでの時間も短くて済みます。

まさに、白米の美味しさや手軽さと、玄米の栄養価の高さの良いとこどりですよね。

スーパーフード発酵発芽玄米!

あまり聞き馴染みのない発酵発芽玄米かと思いますが、そのスーパーフードっぷりを感じていただけたのではないでしょうか。

健康のために栄養価の高いお米を食べたいけれど、玄米は気が進まない。なかなか続かないという方は、発酵発芽玄米を試してみてはいかがでしょうか。

もちろん、発芽玄米だけ、もしくは発酵玄米だけ試してみる、という方法もあります。
ご自身のニーズやライフスタイルに合わせながら、ぜひ試してみてくださいね。

では、玄米を発酵させることで、なにか成分に変化はあるのでしょうか。
実は、基本的には通常の玄米と成分は同じです。

冒頭にもお伝えしたように、玄米は身体に良いと分かっていながらも、食べにくいのがデメリットです。食べ続けることができなければ、なかなか玄米本来の効果を感じることはできません。

発酵させてもちもちに、食べやすくすることにより、通常の玄米よりも、玄米食を続けやすくなります。玄米本来の、代表的な健康効果をご紹介します。

便秘解消

玄米は食物繊維を多く含んでいます。摂取すると胃や腸で水分を吸収し、膨らみます。そして腸壁を刺激し、便意を促します。

便秘が解消されると、お腹がスッキリするだけでなく、美肌の効果もあります。
便秘になると、老廃物が便として排出されないため、血液とともに全身を巡り、皮膚から排出させようとします。その時の刺激によりできるのが、ニキビや吹き出物です。

玄米を食べることで便秘が解消され、肌まで綺麗になるのはとても嬉しいですよね。

GI値

GI値とは、食後の血糖値の上昇具合を表す数値です。玄米は白米に比べ、このGI値がかなり低いため、カロリーに大差がなくても、脂肪を合成する量は抑えられると言われています。

肥満防止になるだけでなく、糖尿病や生活習慣病全般の予防にもなります。

代謝をよくする

玄米に含まれる成分、特にビタミンB群には、代謝をよくする働きがあります。新陳代謝が良くなることで老廃物が排出されやすくなり、肌も綺麗になります。

また、ビタミンB群により血行が良くなることで、冷え性や肩こりの改善・予防にもなります

発酵玄米の注意点

では、発酵玄米を食べるにあたって注意すべきことは何でしょうか。

まず、発酵中には絶対に炊飯器のスイッチを切らず、保温をすることです。スイッチを切ったまま放置すると、雑菌が繁殖する恐れがあります。
発酵中にしゃもじでかき混ぜる際も、必ず清潔なしゃもじを使用し、衛生面に配慮しましょう。

発酵玄米は、だんだん色が濃くなってきますが、品質には問題ありません。
ですが、出来上がり後は1週間以内に食べ切りましょう。食べ切れない場合は、ラップに包んで冷凍保存することも可能です。

あまり馴染みのない発酵玄米ですが、そのメリットは、なんと言っても食べやすさです。

健康志向ブームで玄米食には興味があるけれど、独特の硬さと食感が嫌で食べられない、続かない…などと悩んでいた方は、ぜひ一度、発酵玄米を試してみてください。

玄米は健康食の基本。毎日の食事の主食を置き換えるだけで、身体にとって嬉しいことがたくさんあります。
もちろん、食べ過ぎはかえってカロリーの過剰摂取になります。適切な量を食べて、身体に優しい食生活を送ってみましょう。

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